父へ。
あなたが突然この世を去って、もう25年近くになります。
わたしたちは決して仲の良い親子ではなかったから、亡くなってしばらくは「あの人は本当はいい人だった、なんて美化したくない、わたしはずっと父のいびつさを忘れない」と誓っていました。
今年、あなたの孫は二十歳になりました。
「早く孫の顔を見たい」と願って、かなわなかった孫です。
わたしにそれほど似ていない彼女を、もしあなたが生きていたらきっと別人のように溺愛していたでしょうね。
ふと思い返すあなたの輪郭はいつのまにかぼんやりとして、なんだか優しい印象になってしまいました。
それが悔しくもあるし、救いでもあります。
どちらにせよ、わたしはあなたのことを忘れてはいません。
